暗闇のなかで暖かく光るホタル。
私の母が子供の頃は、部屋の明かりを消すとどこからともなくホタルがやってきたそうです。
昔はどこでも簡単に見ることができたホタルですが、今では身近で見ることができなくなってしまいました。
では、いったいどこに行ったらホタルを見ることができるのでしょうか?
ホタルの寿命は短いです。
下調べなしで行ったら、ホタルが全くいなかったということになるかもしれません。
そこで、今回は確実にホタルを見るためにホタルを見れる季節や時期、時間帯や条件を調べてみました。
主なホタルの種類
ホタルといえば初夏の風物詩というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
日本は東西に長いため、夏が来るのも地域で差があります。
また、ホタルの種類によって見れる時期が違います。
ホタルの種類でポピュラーなのは、
ゲンジボタルとヘイケボタルです。
- ゲンジボタル
- ヘイケボタル
主にきれいな川の近くに生息しています。
川や水田に生息しています。
他にもヒメホタルといってとても強く光るホタルがいますが、西日本の一部の地域でしか見れないようです。
ホタルの種類と生息地
ホタルは地域によって生息する種類が違います。
沖縄地方
沖縄にはゲンジボタルもヘイケボタルもいません。
沖縄で見ることができるのは、オキナワスジホタルです。
九州地方
九州で主に見ることができるのはゲンジボタルです。
- ヘイケボタル
- ヒメホタル
を一部地域では見ることができます。
中国・四国地方
主に見ることができるのはゲンジボタルですが、地域によって
- ヘイケボタル
- ヒメホタル
を見ることができます。
近畿地方
ゲンジボタル・ヘイケボタルの両方を見ることができます。
関東地方
ゲンジボタル・ヘイケボタルの両方を見ることができます。
東北地方
ゲンジボタル・ヘイケボタルの両方を見ることができます。
北海道
北海道ではヘイケボタルを見ることができます。
ホタルの見れる季節や時期
ホタルを見ることができるのは、5月後半から6月下旬の梅雨が見頃と言われています。
これは平均的な時期で実は地域と種類によって差があり、南にいくほど早くなります。
- ゲンジボタルは、5月〜7月
- ヘイケボタルは、5月〜9月
- ヒメボタルは、5月〜7月
ホタルが見れる時期(地域別)
日本の夏は南からやってきます。ホタルの見頃も夏と一緒に北上します。
桜前線と同じですね。
地域 | ホタル名 | 見頃 |
沖縄地方 | オキナワスジボタル | 4月下旬〜5月初旬 |
九州地方 | ゲンジボタル | 5月下旬〜6月中旬 |
中国地方 | ゲンジボタル | 5月下旬〜6月中旬 |
四国地方 | ゲンジボタル | 5月下旬〜6月中旬 |
近畿地方 | ゲンジボタル | 6月中旬〜7月下旬 |
ヘイケボタル | 6月中旬〜7月下旬 | |
関東地方 | ゲンジボタル | 6月上旬〜7月下旬 |
ヘイケボタル | 6月中旬〜7月下旬 | |
東北地方 | ゲンジボタル | 7月上旬〜7月下旬 |
ヘイケボタル | 7月中旬〜7月下旬 | |
北海道 | ヘイケボタル | 7月上旬〜8月下旬 |
このような時期に各地で見ることができます。
しかしホタルは天候の影響を受けやすい昆虫です。
- 春の気温が高いと羽化が早くなる
- 川の氾濫や大雨が多いと少ない
というように、天候によって時期が早まったり数が減ったりします。
ホタルを確実に見るためには日頃の天気予報のチェックも必要かもしれませんね。
毎年、気象庁からホタルの初見日マップが発表されます。
このデータを見ると、その年のホタルの初見日を調べることができます。
ホタル観測の参考にすると良いですね。
http://agora.ex.nii.ac.jp/
ホタルの見れる条件
せっかくホタルを見に行くなら確実に見たいものですよね。
ホタルが住んでいるのは、
- 水がきれいで流れが緩やかな水辺
- 水温が15度〜20度
- 餌となるカワニナがいる場所
- 護岸が土である
以上の条件が揃った場所です。
都市部から離れていて、人口の明かりがない、流れが緩やかな川や湖沼。そして、餌となるカワニナがいる場所。
こんなところならホタルを見ることができます。ですがホタルの見れる時期と季節がわかっても、必ずホタルが見れるとは限りません。
ホタルを見るためには4つの条件があります
ホタルを見るための条件
- 月明かりがなく曇っている日
- 雨上がりで湿度が高い
- 風がない
- 夜の19時〜21時
これらの条件が揃ったときにホタルを見ることができます。
では、なぜ月明かりや風、湿度がホタルと関係があるのでしょうか?
ホタルが光るのは求愛するためと言われています。
飛びながら大きく光るのがオス、メスは草や葉の下で小さな光を出しています。
このように光で会話をするホタルにとって月明かりや車のヘッドライトのような強い光は嫌なものなのでしょうね。
また、オスのホタルは飛びながら発光します。
風が強い日はうまく飛べないため葉っぱの下に隠れて出てきません。
ホタルを見れない条件
ホタルを見れない日はどんなときでしょうか?
- 月明かりのある日
- 暑い日
- 雨の日
ホタルの見れる条件の反対を考えていただけたらいいですね。
ホタルを見るためには、明るさは重要です。
昔はどこでも見ることができたホタルが、現在はどうして限られた場所でしか見れなくなったのか。
いくつか原因があるなかで明るさに原因があります。
ホタルが見れなくなった原因
ホタルが昔ほど見れなくなったは、ホタルの数が減ったからです。
どうしてホタルの数が減ってしまったのでしょうか?
それにはいくつかの原因があります。
- 環境の変化による水質汚染
- 異常気象
- 車のヘッドライトや街灯などの強い光が増えたこと
- ホタルの生息地が観光化されたことで人が増えた
以上の原因が重なって、どんどんホタルの数が減ってしまいました。
ホタルの見れる時間
ホタルを見れる条件のなかで、夜の19時から21時にホタルを見る条件と説明しましたが、それ以外の時間はホタルを見れないのでしょうか?
ホタルが光る時間
実はホタルは1日に3回飛びます。
- 19時か・ら21時
- 23時前後
- 午前2時前後
ホタルが1番飛ぶのが19時から21時。
子供を連れてホタル観賞するのに最適な時間ですね。
こうして見るとホタルが活動するのは夜のようです。
では、昼間はいったいどうしているのでしょうか?
ホタルは夜行性のため、昼間は葉っぱの下で眠っています。
ただし、昼間活動して夜眠る種類のホタルもいます。
昼間活動するホタルは光らないため、夜活動する必要がないんですね。
ホタルの世界も色々です。こうして調べてみると奥が深いですね。
ホタルの光る間隔
ホタルの光り方は種類によって違います。
- ゲンジボタル
- 東日本は、4秒に1回
- 西日本は、2秒に1回
- 境目の地域は、3秒に1回
- ヘイケボタル
- ヒメホタル
地域によって違いがあるが、ホタルのなかで1番長く光ります。
1秒間隔で揺れながら光ります。
フラッシュをたいたような短い間隔で光ります。
種類によって光り方が違うのは種の交雑を防ぐためと言われています。
まとめ
- 日本でよく見れるホタルはゲンジボタル、ヘイケボタル。地域によってヒメホタルも見れる
- 地域によって生息するホタルが違う
- 沖縄地方は、オキナワスジホタル
- 九州地方は、ゲンジボタル(一部地域でヘイケホタルとヒメホタルが見れる)
- 中国地方は、ゲンジボタル(一部地域でヘイケホタルとヒメホタルが見れる)
- 四国地方は、ゲンジボタル(一部地域でヘイケホタルとヒメホタルが見れる)
- 近畿地方は、ゲンジボタルとヘイケボタル
- 関東地方は、ゲンジボタルとヘイケボタル
- 東北地方は、ゲンジボタルとヘイケボタル
- 北海道は、ヘイケボタルのみ
- ホタルが見れる時期は種類と地域によって差があるが、5月後半から6月下旬の梅雨が見頃と言われている
- ホタルの見るための条件は4つある
- 月明かりがなく曇っている日
- 雨上がりで湿度が高い
- 風がない
- 夜の19時〜21時
- ホタルを見れない条件は3つある
- 月明かりのある日
- 暑い日
- 雨の日
- ホタルが見れなくなった原因は環境破壊やホタルの生息地の明かり、異常気象などでホタルの数が減ったためである
- ホタルは1日に3回光るが1番よく見られる時間は19時から21時である
- ホタルの光る間隔はホタルの種類によって違う
ホタルの見れる時期や季節について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
種類や地域によって見れる時期や光り方など色々な違いがあるんですね。
今年はチャンスを逃さず確実に見たいものですね。
ホタルの光る姿は幻想的でとても美しいです。
しかし成虫になってからの寿命は短く2週間程しか生きられません。
ホタルの見れる季節や時期などの他にも、ホタルの寿命について知りたい方は確認しておきましょう。
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