初夏の風物詩として知られるホタル。
静かな暗い夜に飛び交うホタルを鑑賞するために、多くの人が集まります。
日本人の心を惹きつけてやまないホタルですが、その寿命がとても短いということをご存知でしょうか?
ホタルの寿命が短いのは「口がないから」という説があります。
そこで、今回はホタルの寿命が短い理由と口がないというのは本当なのかを調べてみました。
ホタルの寿命について
「蛍二十日に蝉三日」(ほたるはつかに せみ みっか)という慣用句にもあるように、ホタルの寿命はとても短いです。
成虫になってからの寿命は約2週間ほどと言われていますが、卵から成虫になるまでの期間を含めるともう少し長くなります。
そこで、ホタルが生まれてから成虫になるまでのサイクルをまとめてみました。
ホタルの一生
- 6月〜7月 産卵
- 7月〜8月 孵化
- 8月〜3月 幼虫(水中で生活)
- 3月〜5月 蛹(土まゆを作る)
- 5月〜6月 成虫
このようにホタルの寿命は1年です。
幼虫期間は7ヶ月。
成虫となる同じ時期の6月から産卵して、8月から3月までを幼虫として過ごします。
この間に餌となるカワニナをたくさん食べて栄養を蓄えます。
ホタルの一生としてはこの期間が1番長いですね。
ホタルの他にも、成虫になって短期間で命を終える昆虫がいます。
- セミ
- カゲロウ
セミは幼虫の姿で約7年間土の中で暮らします。成虫になってからの寿命は約3週間〜1ヶ月。
カゲロウは幼虫で2ヶ月〜1年間、ホタルと同じように水中で暮らします。成虫になってからの寿命はなんと1日。
セミの寿命は約7年1ヶ月、カゲロウは約1年。
どちらも成虫になってからの寿命は短いですね。
虫の寿命は種類や住む場所によって違いがありますが、
平均すると1年から5年くらいですので、ホタルの寿命は短すぎというわけではありません。
では、なぜホタルの寿命が短いと言われるのか。
それは、やはりホタルの成虫の期間が短いからなのでしょう。
成虫となっていっせいに光りあっという間に消えていく。
その姿を見てホタルの寿命は短いもの、と言われるようになったのではないでしょうか。
成虫になると口が無くなる?
ホタルの成虫の寿命が短いのはなぜでしょうか?
ホタルの成虫の寿命が短いのは、
口が退化してしまったのが原因と言われています。
口がないと餌を食べることができませんよね。
口が退化したホタルは幼虫のときに蓄えた栄養で生きていかなくてはなりません。
かろうじて草花についた水滴で水分を取ることはできますが、
餌を食べられなければ死んでしまいます。
ホタルの口が退化した理由
ホタルの成虫は子孫を次の世代に残すために光ります。
極端な話、繁殖行動のためだけに生きているといってもいいでしょう。
目や触覚、そして光ることでオスとメスが出会える可能性は高くなります。
でも口は繁殖には必要ありません。
そのために不要な口が退化し、繁殖に専念できる形態になったんですね。
成虫になって寿命を終えるまでの2週間は、幼虫のときに蓄えた栄養を頼りに光りながら相手を探します。
そして役目を終えると同時に体力を使い果たし一生を終える。
ホタルの一生とは切ないものですね。
まとめ
- ホタルの寿命は約1年で、幼虫の姿で8ヶ月を過ごす
- 成虫になると約2週間しか生きられない
- ホタルの寿命が短い理由は口が退化したため
- 口は退化したが、草花についた水滴を取ることはできる
- ホタルの口が退化したのは繁殖に専念するためである
いかがでしたでしょうか。
ホタルは短い命のなかで一所懸命パートナーを探して光ります。
ホタルの光が美しく、どこか切ないのはそんな理由があるからなのかもしれませんね。
そんなホタルの美しく光る姿を見るためには条件があります。
せっかく観賞に行っても見ることができなかったらとても残念ですよね。
短い一生であるホタルの光ることができる条件を知りたい方は確認しておきましょう。