冬の夜空にひときわ輝くオリオン座。
きれいに並んだ三ツ星が見つけやすく、冬の代表的な星座です。
その名を冠するオリオン座流星群とはどんな流星群なのでしょうか。
2018年のオリオン座流星群が見える方角や時間帯について紹介していきます。
オリオン座流星群の特徴は?
オリオン座流星群は明るい流星群の一つです。
オリオン座流星群の母天体はハレー彗星で、放射点はオリオン座と双子座の間にあります。
毎年10月2日から11月7日の間、約1ヶ月にわたって活動します。
オリオン座流星群の特徴としては
- 活動期間が約1ヶ月と長い
- 全流星群の中で速度が2番目に早い
- 明るい流星や痕を残す流星が多い
- 肉眼でも観測しやすい
などがあります。
過去に活動が活性化した時期がある
オリオン座流星群はもとは1時間に10~20個程度の流星を観測できる中規模の流星群でした。
ところが2006年に突然活動が活性化し、
1時間に50個以上、熟練者に至っては100個以上の流星が観測できることもありました。
この結果に驚き、国立天文台がオリオン座流星群の母天体であるハレー彗星の軌道を計算しました。
すると、およそ3000年前にあたる、
- 紀元前1266年
- 紀元前1198年
- 紀元前991年
にそれぞれハレー彗星から放出されたチリの粒の流れが、
2006年から2010年にかけて地球の軌道に接近していることがわかったのです。
この計算通り2010年以降は活性化は収束し、現在はもとの状態になっています。
次にこのようなチリの粒の流れが地球の軌道に接近し、流星群が活性化するのは約70年後ということです。
とはいえ、観測しやすい流星であることは変わりないので、ぜひ肉眼で観測してくださいね。
毎年見られる時期はいつごろか?
流星群の活動期間は、
- 1週間程度の短いもの
- 2-3週間の中規模のもの
- 1ヶ月以上の長いもの
に分けられます。
短いもので数日長いオリオン座流星は1ヶ月以上ありますので、活動期間が長い流星群といえます。
例年、10月2日頃から活動がはじまり、活動が終わるのは11月7日頃です。
極大日は、
10月21日または22日。
極大日に観測できなくても、その前後の日でも多くの流星出現が期待できます。
流星群の極大時間(ピークの時間)
オリオン座流星群は、速度が早く明るいので、観測しやすい流星です。
流星群が見られる期間や、流星の数はどうなのか詳しく見ていきましょう。
- 流星群が見られる極大時間や出現する期間
- ピーク時に見られる流星の数
- 昼間も見ることができるのか?
流星群が見られる極大時間や出現する期間
オリオン座流星の一般的な出現時期は、
10月2日から11月7日です。
2018年のピークは、
10月22日の2時です。
ピークの時間としては好条件なのですが、
満月に近い月明かりのため観測条件は良くありません。
月が沈む午前3時~夜明けまでが観測のチャンスです。
ピーク時に見られる流星の数
ピーク時に見られる流星の数は10個くらいです。
この数は空が暗い場所で見ることが出できる数なので、空の明るさによって見られる流星の数は変動します。
昼間も見ることができるのか?
流星群の観察は月明かりの影響も受けるくらいですから、太陽の出ている昼間に見ることは難しいですね。
ただし、大きなチリが火球のように流れる場合は昼間でも見ることができるかもしれません。
とはいえそのような例はまれ。
月明かりのない夜に観測するのが1番です。
見えやすい方角や場所
オリオン座の方角は東南東方面ですが、流星は全天に流れますので、どの方向を見ても構いません。
ただし、空を広く見渡すのがポイントです。
- 広場
- 校庭
- 河川敷
など、視界の開けたところで観測すると良いでしょう。
できるなら寝転んで見るのが1番です。
またオリオン座流星の放射点はオリオン座のなかにあります。
オリオンの振り上げた右腕のあたり。
流星は放射点の近くでは短く、離れるほど長く見えます。
気になる天気と夜の気温
流星群の観測条件は、月齢とピークの時刻によって変わります。
月齢が新月で夜間にピークを迎えるのが最高の条件です。
その点から見ると、条件があるまり良くないことがわかりました。
しかし、天気が良ければ流星観測に期待が持てます。
2018年の天気のことは当日にならないとわかりませんが、過去の天気はどうだったのか調べてみました。
10月21日の過去10年間の天気
2008年以降、過去10年間の8月13日の天気を調べたところ、
- 晴れ 3日間
- 曇り 4日間
- 雨 3日間
- 晴れ 5日間
- 曇り 3日間
- 雨 2日間
- 晴れ 7日間
- 曇り 3日間
- 雨 1日間
- 晴れ 5日間
- 曇り 3日間
- 雨 2日間
- 晴れ 4日間
- 曇り 6日間
- 雨 0日間
という結果でした。
晴れの日は50%くらいの確率です。
曇りがどの程度なのか気になるところですが、雨になるのは比較的少ないようですね。
夜の気温はどのくらい
また、流星群の観測は夜になりますが、気温はどのくらいなのか気になったので、それも調べてみました。
- 東京 13.6~17.6
- 札幌 0.9~11.4
- 大阪 12.1~19.8
- 福岡 12.1~19.6
- 那覇 22.9~26.4
各地の過去10年の最低気温の結果でした。
やはり、10月後半ともなればかなり寒くなってきます。
北海道と沖縄の差がすごいですね。
沖縄以外では寒さ対策をしっかりして観察しましょう。
秋の服装の目安としては、
- 20℃以上 長袖シャツ
- 20℃未満 カーディガン
- 16℃未満 セーター
- 12℃未満 コート
- 8℃未満 冬物コート
です。それに合わせてズボンなどの下に履くものも工夫してみてください。
流星群の観察は、夜間であまり動くことがない状態なので1ランク上の寒さ対策をしたほうが良いでしょう。
月の影響はどれぐらい受ける?
2018年のオリオン座流星ピーク10月22日は月齢13。
つまり、満月の2日前です。
月明かりの影響で流星観測条件は良くありません。
月が沈む午前3時から夜明けにかけて見るのが良いでしょう。
ライブカメラでの生中継配信
天体イベントがあると、ライブカメラでの生中継配信をすることがあります。
ライブ中継は、
- 自宅で気軽に見ることが出来るので、寒くても暑くても大丈夫
- 全国各地からの中継があるので、自分のエリアの天気が悪くても流星を見ることができる
- 高性能な機材で撮影しているので臨場感も抜群
- 専門家によるガイドがあり、流星群についての知識も得られる
など、良いことがいっぱいです。
天体イベントのライブ配信をするサイト
天体イベントのライブ配信をしているのは
- ニコニコ天体観測
- ウエザーニューズ「SOLiVE24」
などがあります。
ニコニコ天体観測
ニコニコ生放送の公式番組の一つ。
晴れ間を求めて、天文ガイドニコニコ天体観測チームが国内から生放送します。
天体好きなニコニコ動画ユーザーに人気の番組です。
家に居ながらにして、
- 月食
- 日食
- 流星群
が見られるありがたい番組です。
ウエザーニューズ
24時間生放送のお天気番組「SOLiVE24」にて全国6か所から生中継します。
また、次のような各種動画サイトで見ることができます。
- ウェザーニューズのウェブサイト
- ニコニコ生放送
- YouTube Live
- LINE LIVE、Periscope
- FRESH!
- Facebookライブ動画
2017年のオリオン座流星特別番組はゲスト解説者を迎え、ハワイ島より「リアルタイムプラネタリウム」を配信しました。
(オリオン座流星群特別番組の動画です。)
ライブ配信していない天体イベントもあります。
各サイトのホームページでご確認ください。
また、ウエザーニューズでは中継で捉えた流星の動画が3分以内にスマホに届く『流星キャッチャー』という通知サービスがあります。
『流星キャッチャー』の登録は以下の通りですので参考にされてみてください。
- スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」をダウンロード
- 「星空 Ch.」からアクセス
2019年以降のオリオン座流星群が見える時期
2018年のピーク時の月は月齢13です。
満月に近い明るさなので、観測条件があまり良くありませんね。
では2019年以降はどうでしょう?
出現期間は毎年10月12日から11月7日と変わりませんが、
極大日時は年によって異なります。
観測条件は、月齢とピーク時刻、活動の規模を考慮して判断しています。
残念ながら、これからしばらくは条件の悪い年が続きます。
2023年はピーク時刻は日中になりますが、月齢が6(七日月)なので良。
2025年はピーク時刻は夜で月齢29(新月)なので最良です。
少し先になりますが、まずは5年後の2023年を期待しましょう。
毎年同じ期間に見ることができる理由
彗星は大量のガスとチリを吹き出し、そのチリは軌道全体に広がる帯となります。
地球の軌道がこの軌道と交わる時、チリの粒が地球の大気と衝突し光を放つ現象が流星。
地球が彗星の軌道と交わる時期は毎年ほぼ決まっています。
ですので毎年同じ時期に流星群が見られるのです。
2018年に見れる流星群や天体イベント
2018年はオリオン座流星群の他にもたくさんの天体イベントが観測できます。
2018年の主な天体イベントは、
- 1月2日:スーパームーン
- 1月 4日:しぶんぎ座流星群
- 1月31日:皆既月食
- 4月23日:こと座流星群
- 5月 6日:みずがめ座η流星群
- 6月28日:うしかい座流星群
- 7月 3日:山羊座流星群
- 7月27日:ミニマムーン
- 7月28日:みずがめ座δ流星群
- 7月31日:火星大接近
- 8月13日:ペルセウス座流星群
- 10月22日:オリオン座流星群
- 11月 6日:おうし座流星群南群
- 11月13日:おうし座流星群北軍
- 11月18日:しし座流星群
- 12月14日:ふたご座流星群
- 12月23日:こぐま座流星群
などがあります。
上記のように天体観測できる日は決まっていますが、他にも「見頃の時間」「観測できる方角」「次回の見れる日」などもわかっています。
1年間を通して行われる様々な天体ショー。
これらを見て楽しみたい方はそれぞれの観測情報を確認しておきましょう。
関連記事2018年日本で見れるおすすめ流星群や天体イベント&天体ショー!
まとめ
- 活動時期は、10月2日から11月7日
- 極大日は、10月21日前後
- 2018年のピークは10月22日2時
- 見頃となるのは、10月22日 03:00~夜明け
- ピーク時には1時間あたり10個くらいの流星が見られる
- 流星は全天に流れるのでどの方向を見てもよい
- 視界の開けた広場や河川敷などの場所が観測に最適
- この時期の晴れの確率は過去10年で50%くらい
- 沖縄では40%晴れで雨は降っていない
- 夜は冷えるので観測には防寒対策が必要
- 2018年は満月に近い月の影響を受け観測条件は悪い
- 天体イベントではライブカメラでの生中継配信がある
- ライブ配信しているのは
- ニコニコ生放送の「ニコニコ天体観測」
- ウエザーニューズのお天気番組「SOLiVE24」
- 2019年以降も出現時期は同じ
- 極大日は多少異なる(21日または22日)
- しばらくは条件の悪い年が続く
- 2023年が良、2025年が最良の観測条件
オリオン座は肉眼でも観測できて明るい流星群です。
そのオリオン座に続き活動期間は入るのが「しし座流星群」
火球が多く流れて見ごたえがあります。
過去に何度も1時間に1000個以上の流星が見られる「流星嵐」が観測されたことで有名です。
今年は観測するのにもってこいの好条件。
秋の澄んだ夜空のなか、しし座流星群の華やかな天体ショーを観測してみたい方は詳しい情報を確認しておきましょう。