入学祝いを頂いた際にお礼を言うのは当然ですが、改めて後日、お礼の手紙を書くと丁寧で感謝の気持ちがさらに伝わります。
入学祝いは子供のためにいただくものですが、お礼の手紙は親と子供本人の両方から送るとより一層喜ばれますよね。
せっかくお祝いをいただいたのにお礼の手紙で失礼があってはいけませんので、文例を参考にしっかりと書き方を学んでおきましょう。
入学祝いのお礼の手紙の書き方
手紙を書くときには基本構成があり、お礼の手紙も基本に沿った形で書いていくと相手にも伝わりやすいでしょう。
入学祝いのお礼の手紙内容を具体的に大きく4つに分けると次のようになります。
- (1)時候の挨拶
- (2)入学祝いへの御礼
- (3)頂いた物の使い道の報告や今後
- (4)結びの挨拶
(1)時候の挨拶
入学祝いをいただく時期は3月~4月頃になると思いますので、春の季節に合わせた時候の挨拶を最初に書きましょう。
- 陽春の侯、桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
- 春暖の候、春分を過ぎて桜の開花が待たれる頃となりました。
- 春陽の候、花の色が美しい季節になりました。
特に春は寒暖の差が激しく季節の移り変わりが早いですので、気候の変化や花の咲き具合によって時候の挨拶の言葉を使い分けるといいですね。
(2)入学祝いへの御礼
入学祝いをいただいたことへの感謝の気持ちを素直に書きます。
品物を頂いた場合は「素敵な○○を頂きまして」と丁寧に書いておくと、相手も何を贈ったか再確認できるので具体的に記述しましょう。
お金を頂いた場合は、金額を直接書くのは避けて「お心遣い」と言い換えて書きましょう。
(3)頂いた物の使い道の報告や今後
贈った入学祝いがどのように使われているのかは贈り主の1番気になるところです。
品物をいただいた場合は、これから大切に使わせていただく旨や学校生活に役立てていることを書きましょう。
お金の場合はこれから
- 役立つものを買わせていただく旨
- 買ったもの
などを具体的に書いても良いですね。
そして入学に際しての今後の抱負や意気込みなどを書くと、近況を知ることができて贈り主も嬉しいでしょう。
(4)結びの挨拶
入学のシーズンは冬から春へ季節の変わり目で、特に体調を崩しやすい時です。
結びの言葉は、相手の体調を気遣う言葉を必ず書きましょう。
そして最後に改めてもう一度、お礼の言葉で締めくくります。
お礼の手紙「差出人」と「返事を出す範囲」
入学祝いのお礼の手紙は、差出人は親と子でどちらがするのか、それとも両方出すのでしょうか。
そして返事を出す範囲は、自分の親兄弟や親しい友人にも出すべきなのかを考えていきます。
お礼の手紙を出すのは親と子の両方
入学祝いのお礼の手紙を、「親と子の両方から出す」のか「どちらかが出す」のかついて調べてみると、家柄や考え方によって意見が違います。
- 「小学生はお礼の手紙を書けないから出さなくてよい」
- 「中学生以上は自分で手紙が書けるから親からは出さない」
このような意見があり、親しい間柄でもこういった考え方については聞きづらいですよね。
基本的には、親から手紙を書くだけで問題ありません。
子供本人から手紙が来ないからといって怒る人はいないはずです。
しかし、子供が手紙を書くことによって、一言二言しか書けなくても相手に与える印象は違います。
ですので、親と子の両方からお礼の手紙を出すとようにすると喜ばれるでしょう。
お礼の手紙はすべての人に出す
お礼の手紙はすべての人に出すのが基本です。
例えば、自分の親兄弟だからといって簡単なお礼で済ませてしまう人も多いでしょう。
しかし義理の親兄弟関係にある自分の夫や妻に対して快く思わないケースがあります。
お礼の手紙1枚が原因でお互いの関係が悪化してしまうことは勿体ないことです。
そういうケースを防ぐためには、お祝いをいただいたすべての人に手紙を書くことにしましょう。
親しい友人の場合
「じゃあ親しい友人にも手紙を書いたほうがいいの?」と思うかもしれません。
そのような場合でもやはり手紙を送るのがベストです。
メールやLINEなどでお礼を伝えても良いですが、お礼をもらうほど親しい関係だからこそ、普段送らない手紙で感謝の気持ちを伝えてみましょう。
入学祝いのお礼の手紙の例文
では具体的に入学祝いの御礼の手紙について、親から送る場合と子供から送る場合の例文を紹介していきましょう。
例文は最もフォーマルな形を紹介しますので、送る相手との関係性によって言葉の使い方やニュアンスを変えてみてください。
また、例文の中の【 】には、
- 具体的な相手
- 品物に応じた言葉
を入れましょう。
小学校の入学祝いの御礼
親から送る手紙は、喜んでいる様子や学校生活の状況などを伝えてあげましょう。
小学生になったばかりの子供では、形式に合わせた手紙を自分で書くことはさすがに無理です。
しかし平仮名でも感謝の気持ちを書いたメッセージは嬉しいものですので、簡単な形でもお礼を書くように子供に教えてあげましょう。
親から送る手紙の文例
陽春の侯、桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
このたびは【子供の名前】の入学祝いをいただきありがとうございました。
【相手の名前】様の温かいお心遣いに【子供の名前】も大喜びで、早速【お祝いの品物】を購入させて頂きました。
月日が経つのは早いもので、本人も小学生になり、初めての学校に緊張しながらも元気に登校しています。
少し成長した【子供の名前】と共に、【相手の名前】様にまたお会いできる日を楽しみにしております。
季節の変わり目ですので、体調を崩されぬようご自愛ください。
取り急ぎ書中にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
子供から送る手紙の文例
【相手の名前】さんへ
おいわいどうもありがとうございます。
がっこうで(いえで)【お祝いの品物】をつかってるよ。
しょうがっこうではべんきょうがんばります。
またあそびにいくね。
中学校・高校の入学祝いの御礼
親からの手紙は、子供が大人へと成長している姿を伝えます。
子共からの手紙では、中学生や高校生になると自分で手紙を書くことができますので、文章構成を教えて自分の言葉で書くように勧めましょう。
時候の挨拶や結びの言葉などは調べながら書くと勉強になります。
そして贈り主も子供の成長を手紙から読み取ることができます。
親から送る手紙の文例
春暖の候、春分を過ぎて桜の開花が待たれる頃となりました。
このたびは、【子供の名前】の中学校(高校)入学に際し、お心のこもったお祝いの品をいただき、誠にありがとうございました。
いただいた【お祝いの品物】に【子供の名前】も大変喜んでおり、これからの学校生活で役立ててくれるでしょう。
中学校(高校)では部活動や勉学に忙しくなり、親の手を離れることに少しさびしさも感じる今日この頃ですが、【子供の名前】が成長した姿でまたご挨拶に伺わせていただければと思います。
まだまだ肌寒い日が続きますので、くれぐれも体調を崩さぬようお気を付けください。
まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
子供から送る手紙の文例
【相手の名前】さん、入学祝いに【お祝いの品物】をいただきありがとうございました。
ずっと使い続けられるよう大切にし、これからの学校生活に役立てていきたいと思います。
入学後は、勉強も部活動も充実した3年間にできるよう努力したいと思いますので、応援していてください。
また長いお休みのときに【相手の名前】さんといろいろな話ができるのを楽しみにしています。
本当にありがとうございました。
大学の入学祝いの御礼
親からの手紙では、大学に合格できた安心や感謝の気持ちを伝えると良いですね。
子供からの手紙は、大学生ともなれば大人の仲間入りとも言えますので、しっかりとお礼の手紙を書くように促しましょう。
親から送る手紙の文例
早春の侯、桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。
この度は【子供の名前】の大学入学にあたり、温かいお心遣いいただきありがとうございました。
頂いたお祝いは、これからの大学生活で役立てるよう、伝えておきました。
【相手の名前】様の日頃からのご助力に支えられ、希望の大学に合格することができ安心しております。
まだまだ若輩者ではありますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
まだまだ寒暖の差が激しい季節ですので、くれぐれもご自愛ください。
取り急ぎ書中にて御礼申し上げます。
子供から送る手紙の文例
春陽の候、花の色が美しい季節になりました。
この度は私の大学入学に際しまして、心のこもったお祝いを頂きありがとうございました。
【相手の名前】さんの温かいお心遣いに大変感謝しております。
頂戴した【お祝いの品物】はこれからの大学生活で大切に使わせていただきます。
先日無事に入学式を終えてまだ慣れないことも多いですが、様々なことを経験し、有意義な4年間を過ごせるように頑張りたいと思います。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
花冷えの季節ですので、どうか風邪など引かれませんようにお気を付けください。
本当にありがとうございました。
まとめ
入学祝いのお礼の手紙について、書き方と文例を紹介しましたが次のことがわかりました。
- 入学祝いのお礼の手紙は、4つ基本構成からなる
- 時候の挨拶
- 入学祝いへの御礼
- 頂いた物の使い道の報告や今後について
- 結びの挨拶
時候の挨拶は春の気候に合わせた言葉を書く
いただいた品物は具体的に書き、お金の場合は「お心遣い」と言い換えて感謝の気持ちを書く
入学祝いの使い道などを書き、入学に際しての抱負など近況を書く
結びの言葉は相手を気遣い、重ねてお礼を書く
- お礼の手紙は、親と子供の両方から書いたほうが喜ばれる
- お礼の手紙を出す範囲は、お祝いを頂いた全ての人に書いた方が喜ばれる
- 小学生はお礼の手紙を書くのが難しいので、平仮名で感謝の気持ちを簡単に書く
- 中学・高校生は、手紙を書く文章構成を教えて自分の言葉で書く
- 大学生は、大人と同じようにしっかりとした文章構成と言葉を使ってお礼の手紙を書く
電話などでお礼の言葉を伝えることは簡単ですが、やはり手間をかけた手紙が届くと送り主は嬉しいものです。
今後とも贈り主との良い関係を保っていくためにも失礼のないようにできるだけお礼の手紙は早く書きましょう。
入学祝いのお礼の手紙について考えてきましたが、お礼の品を送る場合にはどのようなものが適しているのでしょうか。
どんな人に対しても同じような品を送るというのはNGです。
「誰に」「どんな品を」あげるのかを把握した上で送ることにしましょう。