オリンピックの金メダル・銀メダル・銅メダルの値段や素材(材質)を検証

2020年の東京オリンピックに向けて盛り上がりが加速してきましたね。

リオオリンピックでは金12個、銀8個、銅21個と過去最高数のメダルを獲得。

東京オリンピックでも多くのメダル獲得が期待されますが、当然ながら開催都市である東京都がメダルを用意することになります。

オリンピックで授与されるメダルの総数は金・銀・銅メダルを合わせて約1000個になります。

これだけのメダルを量産するには莫大なお金と材料が必要ですよね。

そもそも原価や素材はどうなっているのでしょうか。

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オリンピックのメダルには規定がある

各競技の1~3位までに授与されるオリンピックのメダルは国際オリンピック委員会(IOC)により次のような規定があります。

  • 大きさ
  • 7~12cm

  • 厚さ
  • 0.3~1cm

  • 重さ
  • 0.5~0.8kg

  • 原則として丸形

  • 材質
  • メダルの種類よって次の通り規定がある

    1位及び2位のメダルは銀製で、少なくとも純度1000分の925であるものでなければならない

    1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張り(又はメッキ)が施されていなければならない

  • デザイン
  • オリンピックのテーマに沿ったデザイン

    夏季オリンピックについては必ずギリシア神話に登場する、勝利の女神「ニーケ」が描かれていることが条件

一方、冬季大会にはそういったデザインの条件はありません。

では実際にどんな素材が使われているのでしょうか?

金メダルの素材と値段

1位の選手に授与される金メダルは素材のほとんどは銀で、外側だけに6gの純金で金張りされたものです。

てっきり純金だとばかり思っていましたが、中身は銀メダルだったんですね。

正確に言えば、規定にある通り純度1000分の925でOKですので、銅なども混ざった「銀合金」です。

純金の金メダル時代があった

純金の金メダルは1912年のストックホルム五輪までは製造されていました。

ですが競技の増加により純金のメダルを作成することが財政を圧迫するなどの理由あったのでしょう。

現在のような「銀合金の金メダル」となったわけです。

素材のみの原価で考えると値段は6~7万円程度だそうです。

銀メダルの素材と値段

銀メダルは、その名の通り素材のほとんどは銀でできています。

今までのオリンピックでは以下のような素材配分でした。

  • リオオリンピック
  • 100%銀製

  • ロンドンオリンピック
  • 93%銀、7%銅の銀合金(合金にしたほうが強度が増す)

  • 東京オリンピック(2020年)
  • 100%銀製か合金となるか、まだ決まっていない

素材のみの原価で考えると値段は3~4万円程度だそうです。

銅メダルの素材と値段

銅メダルの素材は、規定により特に指定されていないようです。

ですがほとんどが

  • 亜鉛
  • すず

などを混ぜた「銅合金」で製造されているようですね。
銅メダルといっても、銅100%ではないということです。

英語でブロンズメダルとは青銅(銅合金)という意味

銅メダルは英語で「ブロンズメダル(bronze medal)」といいます。

ブロンズとは日本語で「青銅」を意味し、銅合金のことです。

英語の方が素材も考慮した正しい名称で呼ばれているのですね。

素材のみの原価で考えると、値段は驚きの300円程度だそうです。

合金の成分は10円硬貨と同じ割合ですので、銅はやっぱり安いのですね。

オークションでの金メダルの評価額

原価で考えるとオリンピックのメダルの値段は比較的に安いものだということがわかります。

しかし当然ながら金メダルを獲得した功績に対する付加価値は評価額に上乗せされてきます。

金メダルはオークションに出回ることはほとんどありませんが、何度か出回ったことがありました。

ベルリン五輪・陸上競技の金メダル

例えば1936年のベルリン五輪の陸上競技で獲得した金メダルです。

こちらは2013年になんと約1億5000万円で落札されました。

原価の2000倍以上で売れたことになりますね。

アトランタオリンピック・体操の金メダル

アトランタオリンピック体操で獲得した金メダルが約3700万円になりました。

アテネオリンピック水泳で金メダル

アテネオリンピック水泳で獲得した金メダルが約870万円などで落札された事例があります。

オークションへの出品の仕方やタイミングが価格を左右するそうですが、選手の有名度合いに比例して価値が高くなる傾向があります。

個人的にはメダルの付加価値は本人が持ってこそだと思いました。

オリンピック以外のメダルの価値は?

オリンピックのメダルが高額で取引されることがわかりましたが、オリンピック以外のメダルの価値はどうなんでしょうか。

世界選手権のメダルの価値

オリンピックに次ぐ大会といえば各種競技の世界選手権です。

材質はオリンピックに準じていることが多く、原価は同じくらいでしょう。

オークションに世界選手権のメダルが出品された事例はありませんでしたが、オリンピックと比べるとメダルの価値は相当下がってしまうと考えられます。

しかしオリンピックよりも値段の高いメダルがあります。

それはノーベル賞の受賞者に授与されるメダルでした。

ノーベル賞のメダルの価値

ノーベル賞のメダルの素材は

  • 金の純度:18k
  • 大きさ:6.6cm
  • 重さ:約200グラム

オリンピックの金メダルと比較すると小さく軽いですが、価値は原価で約65万円もします。

ノーベル賞のメダルはオリンピックのメダルとは違い、人生に1度しか授与されることがありませんので当然なのかもしれませんね。

ノーベル賞のメダルが授与される人数

ノーベル賞のメダルは、6部門最大18人に毎年授与されます。
(オリンピックのメダルは4年に1度の大会で約300競技に授与される)

オリンピックは複数人に授与される競技も多いので、毎年授与されるといってもノーベル賞のメダルの方が希少価値が高いですね。

オークションに出品された事例を調べてみましたが、2014年に医学生理学賞のメダルが5億7800万という価格で落札されていました。

原価の約900倍もの値段は、功績に対する付加価値の評価が高いんですね。

まとめ

オリンピックの金メダル・銀メダル・銅メダルの値段や素材について調べ、次のことがわかりました。

  • オリンピックのメダルには大きさ・厚さ・重さ・形・材質・デザインに規定がある
  • 金メダルは、素材が金メッキが施された銀合金・原価は6~7万円
  • 銀メダルは、素材は銀合金・原価は3~4万円
  • 銅メダルは、素材は銅に亜鉛やすずを混ぜた銅合金・原価は300円
  • 金メダルがオークションに出品され、1億5000万円で落札された事例がある
  • オリンピック以外のメダルで高価値なのはノーベル賞のメダル
  • 金の純度18kで製造された原価は65万円で、オークションでは5億7800万円で落札された事例がある

メダルの原価は非常に安いものでしたが、功績による付加価値は何倍にも膨れ上がります。

東京オリンピックで製造されるメダルも将来どのくらいの値段で取引されるのか予想するのも楽しいかもしれませんね。